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おそろし

評価:
宮部 みゆき
角川グループパブリッシング
¥ 1,785
(2008-07-30)
JUGEMテーマ:読書

 ―不思議な話は心を溶かし、やがて事件が明らかになっていく。哀切にして不可思議。「百物語」、ここに始まる。 ―

ご存知ミステリーの女王、宮部さんが書く「百物語」
久々の時代物です。そして、この厚さ! ああ…ものすごく待ちました。
図書館に予約して約3ヶ月。何度も買おうかと思いましたが、「この本、プロローグ的な感じだから続くよ」と言われたので、じっと我慢の3ヶ月。

叔父一家の営む袋物屋、三島屋に訳あってやってきた17歳のおちかは、実家であった事件をきっかけに心を閉ざして、女中として働き始めます。
お嬢さんとして育てようとする叔父夫婦の申し出を断って、ひたすら働くおちかは、ひょんな事から叔父の意向で百物語の聞き手として、訪れる客の話を聞くことに…。
客達が話す、哀しく不可思議な物語の数々。
そして、それを聞くこと、話すことによって、変わって行く人々の物語。

最初、どっちかな?と思ったんです。
本当に幽霊やあやかしが主題の”怪異譚”なのか。
怪異の謎を解いていく、”ミステリー”なのか。

前に、「あやし」でやられましたのでね!!

そりゃ警戒して読みますって。プチトラウマですから。
不可解な現象と死があって、さぁ!いよいよ探偵役の出番だぞ!!とはりきった時に、さらっと終わってしまって、読んでて度肝を抜かれました。えええって!
読み方を完全に間違ってた、あれは事件じゃなくて怪異だったのね……。

結論から言っちゃうと”怪異譚”で正解です。
幽霊も生霊も化け物屋敷も登場する江戸の話です。

怪異はあります。トリックなどではない、不可思議なことが起こります。
ただ、そこには怪異だけじゃなく、怪異に関わる人たちの様々な想いや思惑がある。
ただ、急に妖怪や化け物がでてきて、あら大変といった怪異じゃありません。
そのなかの1話を除いて、(厳密に言うと除きませんが)、常に怪異より先に人がいて、不可思議なことを引き起こすのは、あくまで人の意志だったり、思いの強さだったりします。

怪異を引き起こすのも”人”、それを語るのも”人”。

あくまで、これは哀しい”人”を主題にした話なんだなぁ…と。
ある意味、なんていうんでしょう。人異? そんな言葉があるか知りませんが。

よい人たちだった。仲の良い家族だった。何を間違ったわけじゃない。
それなのに、ほんの少しのかけ違いで、狂っていく人生や崩壊していく家。
人が引き起こした、どうしようもない怪異と破滅。
それでも生き残った人たちが語る、哀しく切ない百物語と、それを聞くおちか。

話自体は単調ですが、なんともいえない情緒があります。
ああ。宮部さんの描く江戸は本当にいいなぁと思いました。
本のちょっとした描写や人の動きが胸をつきます。

でもコレって本気で百話集める気なんでしょうか??

本気だったら何冊出す気なんだ!!
まだこの厚さで4話しかしか集まってないっていうのに!!

とりあえず、いかにも、これからが本番でっせ〜という終わり方なので…。
まぁ、とりあえずは続くんでしょう。次回作に期待です。
いやぁ、それにしても、おちかさん可愛くってメロメロです!!
早く続き出ないかなぁ…、まぁでても、また数ヶ月単位で待つんでしょうが(買えよ)

以下、続きを読むにはネタバレを含みます。
結構ガッツリ核心について書いてますので、未読の方はご注意下さい。

でもね。
実は、最初はちょっと物足りなさを感じてました。
だって、怪異譚なんですもん。
不思議なことを不思議なまま終わらせてもOKなのが、怪異譚やホラーのお約束です。
哀しい話だけど、その先の謎解きや発展がない。

しかし! 単にそこで終わらせないのが、さすが宮部さん!!

やってくれましたね! バラバラだった1話1話がつながった時はテンション上がりました。
まぁ、かなり強引に強引を重ねたようなつなげ方でしたが。
なんか、もう王道児童文学か!って感じのラストは…。
トキメキが止まりませんでした!!

いやぁ。いいね。こういう展開大好物です!。
多少ご都合主義でも強引でも、かまいません。

まぁ、案の定。
そうあっさりとは終わってくれなかったわけですが…。


自分でいうのもなんですが、鈍さに定評のある私は、ようやく最後でわかりました。

これは罪を犯した側の話なんだと。
家や人生を破滅に追いやった、人を殺した人たちの話。

そして、その人たちを、それでも愛おしいと思ってしまった人たちの話なんだな…と。
自分や他人を、滅茶苦茶にした人たちを、憎みきれない人たちの話なんだな…と。
百物語を語る人たちに、それでも恨み言をいう人が居ないのは、そういうことなんでしょう。
おぞましい事件があって、でもそれ以外にも、触れ合った楽しく優しい思い出だってある。
人を殺して、罪を犯した人たちも、それ以外の優しい顔を持っている。

なんていうか……、深読みしすぎると、なんかちょっと危険な小説ですね。

その前に『告白』を読んでいたからかも知りませんが。
最後でてきた百物語登場人物大集合は、故人本人達ではなく、おちかさんの中にいた物語の”登場人物”達だったんじゃないかな…と思います。
おちかさんの中のイメージというか…、真実というか…。
単に、その時死んだ本人達ではなかった気がする。
もし本当に単に”幽霊”で片付けられる人たちだったら、何か都合が良すぎる気がします。
まぁ、何を持って”幽霊”とするかは微妙ですが。

それ関係で、謝りたい事がひとつ。

あんまりにも、おちかちゃんと松太郎の関係がツボでした。
なので、本当にすっかり良助さんの事をスッカラピンノポンと完全に忘れてて…。
最後の最後で良助さんに、土下座をしたい気分になりました。
ちょっとハッピーエンドで万々歳な気分になってました。
そういえば、良助さんの存在をすっかり忘れてた。
作者のおもうツボな気もしますが、本当にごめんなさい。
他にも読んだ方で、絶対にこう思った人いますって!! どうですか!?

あと、最後に出てきたあの方ですが…。
ちょうど江戸モノつながりで、京極さんを読み返そうかと思ってたので…。
小股潜りさんが出張に来たのかと思いました。マジで。
大極宮つながりで、ありじゃないかと………。
まぁ京極さんは無理でも、『あやし』に出てきた呉服屋がちらっとでたりして(多分)、ちょっとニヤニヤしてたので、他の江戸ものシリーズの方々が出張してくればいいのになぁ…と思いました。

弓之助とか、弓之助とか、弓之助とか!!!!

長々書いてしまいましたが、この本は、たぶん本当にプロローグ。
これからどう転んで、どうなっていくのか、楽しみにしたいと思います。

おちかさんの恋の行方とかね。
むしろ、きっとそこが化けて出るタイミングだよ、良助さん。

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